Tuesday 10 June 2008

ボランティア

うちの会社は年に一度、社員に一日のボランティアを奨励する。老人ホームを訪ねたり、庭の手入れ、大工まがいなボランティアなどに平日参加するプログラム。会社のPRもあるし、少し偽善な香りがするが、お互いに利益があることなのだから良しとしよう。

で、私は先週の水曜日にそのボランティアとやらに行ってきた。まずは会社から支給されたTシャツを着て8:30に某駅前のカフェで待ち合わせに行ってみた。カプチーノとかクロワッサンがあるような素敵なCaféを探したけど、どこにもない!あるのは脂っこいベーコンや油で揚げた目玉焼きを出してくれる汚いダイナー風。

  イギリス人はこれを「カフェ」と呼ぶのか!

そういえば、パブはいたるところにあってもカフェはあまり見た事がない。とりあえずそこに入りコーヒーを頼んでみた。スタバでコーヒーは2ポンドくらいするのにそこは60ペンスだった。

後日カフェについて同僚に聞いてみると、同じスペルだが、フレンチ風な「カフェ」と「カフ」と二つの呼び名があり、意味が違うとのこと。「カフェ」は私が描いていたような、ちょっとお洒落な所。「カフ」は脂っこい朝食を出す肉体労働者が行くような所だそうだ。

話を戻して、この日のボランティアは健康や経済的に恵まれない子供達に何かをしてあげようというもの。A君は6歳まで公園でかけっこしたり、サッカーとかしていた健康児だった。突然、遺伝子の変異であっという間に寝たきりの体になってしまい、今は8歳。彼と3人の兄妹と両親、祖母が暮らす政府からあてがえられたアパートをペンキを塗り、明るくしようという作業だった。

車椅子に貼り付けられている子供は、「この人たち、何しに来たの?」と少しおびえた様子だった。家族は我々に家を任せ出かけて行った。

ペンキ塗りなんて何年ぶりだろうか。まずはペンキがついたら困るような場所にマスキング・テープを張る作業にとりかかった。家の数箇所にスティッカーがあり、そこには 

   神様はアラーのみ

と書いてあった。

8人のチームメンバーによりアパートは夕方には見違えるようになった。外から戻ってきた家族たちも喜んでくれたが、これをアラーの恵みだとは思われたくないと内心思った。

ペンキだらけになってしまった我々は朝のカフの横にある小汚いパブに行ってビールを飲んだ。午後5時、公園では子供達が遊ぶ声がする。こんな時間に仕事もせずにいるなんて何ヶ月ぶりだろう。

健康、Quality of life、自分の人生のプライオリティなどを考えさせられた一日だった。

結局、疲れがたまっていたところに風邪をひいて、今は寝込んでいる。何のために毎日働いているのかな? って最近よく思うようになった。。。